フィギュアがまだお人形でよかった頃…其の弐
SS-Untersturmführer der Aufklärungstruppe 《P'log移転 作例 第九弾》
今作例も、かなり以前(2000年頃)に制作をしたものなのだが…
Waffen-SSと言えば“迷彩”という向きもあり、単に迷彩モノの上衣…それもスモックではなく、M44型様の迷彩服を制作してみたかったということから、とりあえず特定の人物といったものをモデルにせず、『第1SS装甲師団“LSSAH”/SS第1装甲偵察大隊の小隊を指揮するSS少尉』という設定にしてみた。

使用したヘッドは、ITPT(In The Past Toys)製の「LUFTWAFFE SQUADRON LEADER」をリペイントしたもので、素体はDRAGON(Dragon Models:DML)製。
● Drillichenanzug getarnt
1944年3月1日付で制定されたM44型迷彩服は、’43年型(M43)野戦服と同様のデザインで、服地が綿とレーヨンの綾織り混紡そして『エンドウ豆』迷彩図柄…つまり“44 ドット(dot)”と呼ばれているものであるが、今作例の迷彩図柄はそのドット・パターンではなく…『柏の葉B(F)パターン/秋冬側』迷彩図柄で、しかもポケットの雨蓋のカットおよびプリーツ付など異なる点が多く定番のM44型迷彩服ではないが、実際にこうした特注製の被服が…野戦などにおいて、ツェルトバーン等を裁断して中隊被服係(Kompanieschneider)により急拵えで作られることがあった。

今作例の迷彩服も、そうした実際のケースよろしく…
DRAGON製品の付属品であったツェルトバーンをまるまる2枚分使用して作っている。
この上衣もまた全ての部分を手縫いで行っている。

M44迷彩服には左腕にSSライヒスアドラー(鷲章)のみ付けることが許されていただけであり、襟章・肩章の着用は禁止されていたがあまり守られることはなかったようである。
これは敵側に対して階級等の特定をさせないための目的もあったようなのだが…

襟元の騎士鉄十字章などは別としても、上の写真のハンス・ヨアヒム・ポルシュSS中尉のように胸周りに勲章等を佩用する例はあまりない。
迷彩図柄はCパターンのいわゆる“シュロの樹(=パーム ツリー)”と思われる…つまりは特注品ということになる。
勤務服様のポケットおよび雨蓋の形状にしていたりするなど特注品ならではのオーダーをかけているが、何といっても珍しいのはそのボタンの数である…ライヒスヴェーア型の勤務服や礼服等にみられるような8個ボタンとなっている。
なぜか袖にアドラーの着用は見られない。
ポルシュは、第11SS義勇装甲擲弾兵師団“Nordland”のSS装甲擲弾兵連隊“Nordland”/第10中隊指揮官任官時の1943年4月14日付でドイツ十字章金章を受章している。

このSS将校(もしくは下士官)の迷彩服は、ポケットにプリーツが施され、雨蓋も波型タイプとなっているようである。
また袖に“カフ(折り返し)”を付けるという珍しいタイプとなっている。
● Feldmütze alter Art für Unterführer/Offiziere
“旧型野戦帽”と呼ばれる革鍔タイプの陸軍士官用野戦帽は1933~34年頃から作られた。
SSにおいても、1934年頃にLAH連隊の“下士官黒色革鍔野戦帽”として初めて登場し、その後、他のSS特務部隊(SS-VT)の下士官等でも着用されるようになる。
1936年頃からはアースグレーの革鍔野戦帽が登場し、さらに翌年からはフィールドグレーのモノが登場する。
1938年12月6日付で、陸軍士官用新型略帽が導入されたのに伴い製造が中止され、着用に関しても1942年4月1日をもって停止すべきとされるが…旧型野戦帽は人気があり、所有者のほとんどは着用し続けた。
入手が困難になってからは、制帽を野戦帽風に改造する例も多く見うけられる。
将校などにおいてはテーラーにおいて特注する者もかなりいたようである。
旧型野戦帽の場合のライヒス・アドラー(鷲章)や帽章は…陸軍、W-SSともBevoタイプの徽章の着用が多いが、制帽同様に金属製のタイプや、アルミ糸刺繍の帽章…SSにおいても、襟章などに用いられる髑髏章の髑髏の部分だけを切り抜いて着用しているという例もある。

● Schulterstücke für SS-Untersturmführer der Aufklärungstruppe

● Kälteschutz Filzstiefel
防寒フェルトブーツ

DRAGON製のものは、フェルト部分もソフビによる一体成形となっているため、フェルト部分とされる部位のみ切り取り、リアルなフェルトをその部分に嵌め込んでみた。



2003年1月11、12日開催の新春BH…「C.F.E. in BH」での中型(90×90)ベースを用いた展示でも一役買ってもらっていた。
よく見ると、先代のヘッド…ホルストは、パルカ着用のSS上級曹長として挿げ替えられていた。
これは先の記事でも紹介させて頂いたが…ホルストに一時期変更していたことがあったことを、今回気づくまで実はすっかり忘れていた…(^^;
【 Ergänzung 】
当初は、素体・ヘッドともにDRAGON製の『WWII Eastern Front 1944 “Horst & Blitz”』のセットから、“Horst”のヘッドをリペイントして使用し、下のようなカタチで組んでいた。


2000年10月9日開催の「CUSTOM WORLD 4」において、STEINER氏を中心として展示が為された『戦場に移動中のL.A.H』と題された大型展示…その撤収作業前に…その情景のなかで撮影をして頂いた画像。
● Pistolentasche für Kampfpistole(Signalpistole)
信号拳銃用ホルスター

装備品として信号拳銃用ホルスターを革で自作もしてみた。
作成にあたっては、当時STEINER氏が所有していた実物を参考にさせても頂いた。

今作例も、かなり以前(2000年頃)に制作をしたものなのだが…
Waffen-SSと言えば“迷彩”という向きもあり、単に迷彩モノの上衣…それもスモックではなく、M44型様の迷彩服を制作してみたかったということから、とりあえず特定の人物といったものをモデルにせず、『第1SS装甲師団“LSSAH”/SS第1装甲偵察大隊の小隊を指揮するSS少尉』という設定にしてみた。

使用したヘッドは、ITPT(In The Past Toys)製の「LUFTWAFFE SQUADRON LEADER」をリペイントしたもので、素体はDRAGON(Dragon Models:DML)製。
● Drillichenanzug getarnt
1944年3月1日付で制定されたM44型迷彩服は、’43年型(M43)野戦服と同様のデザインで、服地が綿とレーヨンの綾織り混紡そして『エンドウ豆』迷彩図柄…つまり“44 ドット(dot)”と呼ばれているものであるが、今作例の迷彩図柄はそのドット・パターンではなく…『柏の葉B(F)パターン/秋冬側』迷彩図柄で、しかもポケットの雨蓋のカットおよびプリーツ付など異なる点が多く定番のM44型迷彩服ではないが、実際にこうした特注製の被服が…野戦などにおいて、ツェルトバーン等を裁断して中隊被服係(Kompanieschneider)により急拵えで作られることがあった。

今作例の迷彩服も、そうした実際のケースよろしく…
DRAGON製品の付属品であったツェルトバーンをまるまる2枚分使用して作っている。
この上衣もまた全ての部分を手縫いで行っている。

M44迷彩服には左腕にSSライヒスアドラー(鷲章)のみ付けることが許されていただけであり、襟章・肩章の着用は禁止されていたがあまり守られることはなかったようである。
これは敵側に対して階級等の特定をさせないための目的もあったようなのだが…

襟元の騎士鉄十字章などは別としても、上の写真のハンス・ヨアヒム・ポルシュSS中尉のように胸周りに勲章等を佩用する例はあまりない。
迷彩図柄はCパターンのいわゆる“シュロの樹(=パーム ツリー)”と思われる…つまりは特注品ということになる。
勤務服様のポケットおよび雨蓋の形状にしていたりするなど特注品ならではのオーダーをかけているが、何といっても珍しいのはそのボタンの数である…ライヒスヴェーア型の勤務服や礼服等にみられるような8個ボタンとなっている。
なぜか袖にアドラーの着用は見られない。
ポルシュは、第11SS義勇装甲擲弾兵師団“Nordland”のSS装甲擲弾兵連隊“Nordland”/第10中隊指揮官任官時の1943年4月14日付でドイツ十字章金章を受章している。

このSS将校(もしくは下士官)の迷彩服は、ポケットにプリーツが施され、雨蓋も波型タイプとなっているようである。
また袖に“カフ(折り返し)”を付けるという珍しいタイプとなっている。
● Feldmütze alter Art für Unterführer/Offiziere
“旧型野戦帽”と呼ばれる革鍔タイプの陸軍士官用野戦帽は1933~34年頃から作られた。
SSにおいても、1934年頃にLAH連隊の“下士官黒色革鍔野戦帽”として初めて登場し、その後、他のSS特務部隊(SS-VT)の下士官等でも着用されるようになる。
1936年頃からはアースグレーの革鍔野戦帽が登場し、さらに翌年からはフィールドグレーのモノが登場する。
1938年12月6日付で、陸軍士官用新型略帽が導入されたのに伴い製造が中止され、着用に関しても1942年4月1日をもって停止すべきとされるが…旧型野戦帽は人気があり、所有者のほとんどは着用し続けた。
入手が困難になってからは、制帽を野戦帽風に改造する例も多く見うけられる。
将校などにおいてはテーラーにおいて特注する者もかなりいたようである。
旧型野戦帽の場合のライヒス・アドラー(鷲章)や帽章は…陸軍、W-SSともBevoタイプの徽章の着用が多いが、制帽同様に金属製のタイプや、アルミ糸刺繍の帽章…SSにおいても、襟章などに用いられる髑髏章の髑髏の部分だけを切り抜いて着用しているという例もある。

● Schulterstücke für SS-Untersturmführer der Aufklärungstruppe

● Kälteschutz Filzstiefel
防寒フェルトブーツ

DRAGON製のものは、フェルト部分もソフビによる一体成形となっているため、フェルト部分とされる部位のみ切り取り、リアルなフェルトをその部分に嵌め込んでみた。



2003年1月11、12日開催の新春BH…「C.F.E. in BH」での中型(90×90)ベースを用いた展示でも一役買ってもらっていた。
よく見ると、先代のヘッド…ホルストは、パルカ着用のSS上級曹長として挿げ替えられていた。
これは先の記事でも紹介させて頂いたが…ホルストに一時期変更していたことがあったことを、今回気づくまで実はすっかり忘れていた…(^^;
【 Ergänzung 】
当初は、素体・ヘッドともにDRAGON製の『WWII Eastern Front 1944 “Horst & Blitz”』のセットから、“Horst”のヘッドをリペイントして使用し、下のようなカタチで組んでいた。


2000年10月9日開催の「CUSTOM WORLD 4」において、STEINER氏を中心として展示が為された『戦場に移動中のL.A.H』と題された大型展示…その撤収作業前に…その情景のなかで撮影をして頂いた画像。
● Pistolentasche für Kampfpistole(Signalpistole)
信号拳銃用ホルスター

装備品として信号拳銃用ホルスターを革で自作もしてみた。
作成にあたっては、当時STEINER氏が所有していた実物を参考にさせても頂いた。


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カテゴリ : Mil-FIG
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