モスゴジ

“ゴジラ”と一口に言っても、1954年の初公開から現在までに既に邦画、洋画を合わせて32作(33作目:令和2年11月公開予定)の映画に登場し、毎回違った風貌…いわゆるゴジラ・スーツ(GS)でスクリーンに登場している。
まぁ、ここ最近のゴジラたちは、スーツアクターと呼ばれる方々の血と汗の熱演による“GS”ではなく、“CG”ではあるが…(苦笑)
さらに、一本の作品中で使用されるGSも一種類ではなく、何着かの併用となっている。
従って、各々の印象に深く残っている”ゴジラ”像も、同じ対象物を捉えているにもかかわらず、その場面によっては微妙に違ったイメージになっているのかもしれない。
そうしたゴジラ作品のなかでも、“My Favorite GODZILLA”といえば…映画『モスラ対ゴジラ』に登場の…“モスゴジ”と呼ばれているGS-04である。


その映画『モスラ対ゴジラ』は、前回の東京オリンピック開催の年(当方の生まれ年でもある)…1964年(昭和39年)4月29日に公開されたということであるから、まさに今日で56年目!
その公開記念日に合わせ…当方が以前に開設していたHP上で、2003年∼2004年頃に紹介した当時の記事を、今回ほぼそのまま転載させて頂こうと思う。
“ゴジラ”に関しては、全般もしくは各ゴジラの熱狂的なファンの方々もおられることとは思うが…正直なところ、蘊蓄を語れるほどゴジラ関連に詳しいわけでも、深い興味があるわけでもないので、単に、自作したGK(ガレージキット)の“モスゴジ”を紹介するにとどめさせて頂く。
ある時は凶暴な面体にも…ある時は何となく愛くるしくも見える“モスゴジ”を、名だたる原型師たちが如何に捉え、表現しているか…また、如何に各々のイメージにより、その表現が変わるのかという一端を少しでも感じて頂けたら幸いである。
尚、16年以上も前の紹介記事なので、その内容等に現在の状況とは多少の食い違う点もあるかもしれないが、何卒ご了承頂きたい。
モスゴジ (1983)
速水仁司の原型による全高20㎝サイズのモスゴジで、海洋堂から“GSV”シリーズとして発売されたキャスト製。
“GSV”とは、“GODZILLA Suit Variation(ゴジラ・スーツ・バリエーション)”の略で、歴代のゴジラ・スーツ造型の違いを20㎝サイズで体系化?し、海洋堂のGK黎明期を担った。
また氏は、当時のバンダイ商品の原型も担当し、ゴジラのソフビトイやプラモデルなども数多く手掛けていたということである。





モスゴジ (1985)
原 詠人の原型による全高20㎝サイズのモスゴジで、海洋堂から販売されたキャスト製。
原氏のモスゴジとしては、同年(1985年)に出された『モスゴジ対決セット幼虫版』というモスラ2匹のついた12㎝サイズに続く第2弾。
怪獣GKの創成期を担った原型師の一人である氏の作り出すモスゴジは、原型師自身の持つイメージが色濃く反映されるGKのなかでも、かなりその傾向が強く…氏独特のゴジラ観を作り出しているように思われる。





新モスゴジ (1986)
井上雅夫の原型による全高32㎝サイズのモスゴジで、先ずはイノウエアーツからキャスト製が販売され、パラダイスがソフビ製のキットとして再版したものである。
氏原型のモスゴジとしては5作目にあたる作品で、尻尾の動きを表現したことなどもあり、それまでの造型に比べ数段に躍動感が増している。
また、頭の微妙な向きや手・指の動き、足の運びの表現など、さすが井上氏だと思える作風である。






GODZILLA(モスラ対ゴジラ) (1992)
須合潔貴の原型による全高26㎝サイズのモスゴジで、ビリケン商会から販売されたソフビ製。
原型師のイメージに因るところが大の面体に関しては扨措き…全体的な雰囲気・身構え、体表の感じや尻尾の流れなどは良しとしても、手・爪の大きさがどうも気になってしまうのは私だけだろうか…
因みに、このGKの箱絵はレトロなデザインでなかなかによかった。






ゴジラ1964 (1997)
茨木 彰の原型による全高(半身)12㎝サイズのモスゴジで、KOCから販売されたキャスト製。
立像ではなく、倉田浜干拓地出現シーンを再現したモデルとなる。
シーンを再現したジオラマベース付きではあったが、何となくチャチっぽい観が否めず…自前の木製台座に変更している。
元々の造形のまま組むと、尻尾が不自然に地面から貫出ているように思えたので、少々切断して角度を変えている。
※中心の背鰭四枚は、残念なことに欠品していたためエポキシパテで自作。






230モスゴジ (1999)
山川隆生の原型による全高23㎝サイズのモスゴジで、YAMAKAWA造型部から販売されたキャスト製。
氏のモスゴジとしては5作目(第6回アート大賞出品作品の“1mモスゴジ”を入れるならば6作目)にあたる。
これまでに20タイトルの“モスゴジ”を、ある程度コンスタントに発表している。
氏のGKは、10~20㎝程の比較的小さくて手頃なサイズがメインに制作されており、、当世の住宅事情にも適っている。
ゴジラのような尻尾を入れると結構な場所をとるモノは特に置き場に困るので…






この230に続き、“山川モスゴジ”の第2弾と考えて購入していた『モスゴジAタイプ(復刻版)』の完成は何時になることやら…

ここからは、“平成のゴジラ王”と異名をとる酒井ゆうじの原型によるモスゴジ3作を続けて紹介させて頂く。
氏の造型は、GSをリアルに再現していることは勿論のこと、生き物としての躍動感なども巧みに盛り込まれており、その造型においては他の追随を許さないといっても過言ではないだろう。
因みに、氏の数あるゴジラの発表作のなか、その第1作目が“モスゴジ”であった。
モスゴジ (1989) ≒ハイパー・モスゴジ
先ずは、氏が海洋堂アートプラ大賞に入賞(翌年には大賞を受賞し、それを機に原型師として本格的に活動を開始)した1989年に発表された、全高50㎝サイズのモスゴジで、海洋堂から販売された(ハイパー)ソフビ製。
このポーズは…倉田浜干拓地の地中から出現し、これから正に歩みを始める映画のシーンをイメージしたものらしい。






モスゴジ (1994) ≒M1号モスゴジ
続いても全高50㎝サイズのモスゴジで、正対して身構える…前作を“動”とするならば、“静”のモスゴジである。
福島の拘りのホビーショップ「M1号」から販売された軟質ソフビ製。





モスゴジ (1994)
最後は全高29㎝サイズのモスゴジで、海洋堂から販売されたソフビ製。
ほとんどの造型が吠えた“口開け“バージョンのなか、このモスゴジは犬歯?鬼歯?…ゴジ歯が左右に覗くだけの“口閉じ“バージョン。
確か、前年(‘93)に発表した15㎝サイズに続いての“口閉じ“バージョンで、足の踏み出し方を逆にして、少々開き気味だった腕の構えを、脇を締めた感じに修正したようなポーズとなった。
口を閉じているためか、その表情は険しく荒々しくない、大人しめで…どことなく愛嬌のある感じにも見える。
個人的な嗜好だが、このモスゴジ造型が“My Favorite MOTHGODZI GK“である。






【番外編】
1/700 対モスラ戦ゴジラモスゴジ (怪獣メタルキットシリーズNo.3)
三枝 徹(アレフゼロ)の原型による1/700…全高7㎝サイズ程のモスゴジで、『怪獣メタルキットシリーズ』の第3弾として青島文化教材社から販売されたメタル製。
このキットでは、「対モスラ戦ゴジラ」と「地球最大の決戦型ゴジラ」の2つのヘッドが付属され、好きな方を選択できるようになっているが…勿論、前者を選択したことは言うまでもない!








スポンサーサイト
カテゴリ : GODZILLA
テーマ : ゴジラ (モスゴジ)
ジャンル : ブログ